壁紙の楽しみ方を聞きました

IROHA CRAFT × WALLPAPER STORE 「住み継がれる家づくりに必要なコトを考えよう」 <後編>

「大事に住み継がれる家づくり」を根幹に自分たちの暮らしが大好きになれる家づくりを展開する「IROHA CRAFT」と、あっと驚く壁紙の世界を伝える「WALLPAPER STORE」。両社の仕掛け人で行った対談は加熱

これからの「家づくり」や人の心の「思い入れ」について、深いところを語ります。

前編はこちら

自分の大事にしている価値観や大事にしているものを壁で表現できる

山口 壁紙って、一般的に流通しているのは1m1000円の一般品や量産品などですが、もっとこう自分の好きなデザインを取り入れることで気持ちが豊かになっていくとか、ハッピーになるとか。そこからさらに幸せな気持ちの連鎖が生まれていくような。そういう世界観を提供したいと思っています。 

左/山口剛。壁紙専門店「WALLPAPER STORE」代表

右/千葉健司。建築ユニット「IROHA CRAFT」代表

千葉 SNSの時代になって、その連鎖ってすごく可視化されましたよね。

山口 ちなみに、壁紙のデザインにも願いや想いが込められていることが多いんです。例えばこの「パイナップル」。パイナップルには幸せを溜め込むという意味があって、壁紙を家に使うことで家族の幸せが溜め込まれるように…っていう願いがある。

千葉 へー! 私たちのお客様で「ブルドック」を使わせて頂いたこともありましたよ。ご家族がブルちゃんを大好きで。

山口 自分の大事にしている価値観や大事にしているものを壁で表現できるって、すごく満たされるんだろうなと本当に思うんですよ。あと、このコメントも嬉しくて。

「すごくガーリー、なんかすごい女の子って感じだねと言いながら部屋を片付け始めた姉妹でした」

壁紙を通して、住まう人の態度や暮らし方が変容していく…。そういうのもすごく嬉しい。

千葉 素敵ですね、そういうの。

山口 DIYで自分で張られる方も多い。

千葉 確かに、自分たちでできますもんね! 2階の「AMERICAYA DIY SERVICE CENTER」も、学生さんたちも楽しんでやっていました。

浸透しつつあるDIYお家時間を豊かにする一つの手段

山口 みなさん「不器用だから」と言いながら、どんどん貼っていく。その姿が印象的でした。国産の壁紙を半年に1回ぐらい貼っているという人に出会ったこともあり、「日本の中でもDIYが根付いてきているのかな?」という感触も得ています。実際、いかがですか? その辺は千葉さんが絶対にお詳しい。

千葉 うん、浸透してきていますよね。僕が「AMERICAYA DIY SERVICE CENTER」をはじめたのって、空き家の多い山梨県で、いかにセルフリノベーションやDIYを浸透させるかという挑戦だったんです。そのために、文化を発信する拠点を作りたいと思った。

山口 うんうん。

千葉 とにかく自分たちで楽しんでお店を作ろう!とはじめたんだけど、「自分もやりたい!」って方が増えているのを感じられて嬉しいですよ。

山口 コロナで「お家時間」が増えたことの影響もきっとありますよね。これまでは“家=寝る場所”のだったのが、自分のライフスタイルを楽しむ場所になってきている。そういう意味でもDIYなのかなって。ワークショップを開催すると、なかなか専門的な質問も飛び交ったりするんですよ。

千葉 壁紙も本当にいろいろですよね。黒板的に使えるものや、ホワイトボードのように使えるもの。デザインはもちろん、機能的にも多彩。

山口 「AMERICAYA DIY SERVICE CENTER」にはチョークで描ける壁紙を使っていただきましたね。

千葉 自分たちの"好き"を取り入れたり、手間をかけて手入れをしたりすることで、住み心地の良い幸せな場所として保たれていくんでしょうね。

山口 新築なんて特に「壁に落書きしちゃダメ!」だったのが、「ここ落書きしてしていいよ!」になるわけですからね。もっと壁紙の世界というのを知ってもらえたら、色んなところで風向きが変わって、前向きな空気が流れるのかなって。

千葉 壁紙って奥が深いですよね。

山口 そうなんです。まだまだ「たかが、壁紙でしょ!?」と言われることの方が多いですが、可能性が色々ある。

千葉 ワークショップ、実際僕もやってみてすごく楽しかったし、魅力的ですよね。壁紙の面白さ、どんどん発信していってほしいし、一緒に発信していきたいなって思います。

山口 千葉さんにとっての「これ!」という壁紙、ありますか?

千葉 王冠のやつ! ビールのキャップあれ。斬新すぎて、すごく好きでした。初めてこの壁紙に出会った時は衝撃を受けましたね。「壁紙ヤバい!」って、テンション上がりましたよ。

山口 これですね! インパクトありますよね。

千葉 山口さんは、そういうのなんかあります?

山口 僕は数あるカタログの中でもこれが好き。僕は壁紙屋で育って、壁紙で生きてきた。この壁紙には、壁紙を張る職人さんへのリスペクトとか、汗水たらしてきた技術とか、そういうのが感じられるんです。

そんな技術や魅力を継承していくために…と考えて、輸入壁紙に特化した専門店をやろうと思ったところもあります。継承しながら、魅力を伝えていくことが、僕らの果たすべき役割かなって。

家づくりに新たな価値と喜びをプラス壁紙選びで空間づくりをもっとハッピーに

千葉 アイデア次第で、もっともっと広がりそうな気がしますよね。色々と新しいことが起こりそう。いいな!

山口 実際、うちの壁紙の評判、どうですか?

千葉 めちゃくちゃ喜ばれますよ! むしろ、うち家を建てているのに、壁紙が一番喜ばれているかもしれない! 引き渡しの時とか、「よかったねー!」とかトイレに行って歓声が聞こえて。なんか家より壁紙、喜んでます(笑)

山口 すっごい嬉しいです。

千葉 いやいやほんと。 あ、外に張る壁紙なんて、ないですか?

山口 ちょうど先日、これを貼りました。 職人さんの倉庫だったのですが、外壁にこの壁紙を張って、その上にフィルムを張って、雨に打たれても大丈夫なように加工。やっぱり「何あのお家」って目を引きますよ。

千葉 あー、やっぱり。いいですよね。そのうち外壁専用の壁紙も出て来ると思う。ローコストで個性が出すって、みんなが望むことだから。

山口 レンガと思いきや壁紙だった、とかね。面白いですよね。

千葉 僕は木でフレームをつくってアートパネルなんかにもしています。

山口 そうやって、小さい面から入っていくといいですよね。トイレ、玄関、次に寝室…。広い面だと結構勇気が必要ですから。けれど、「壁紙に一目惚れ」というお施主さんもいる。たくさんの人に楽しんでいただけることが、本当に嬉しいですよ。

千葉 自分が満たされる空間づくりとか場所を持つことって大事ですよね。そうするとお家への愛情もどんどん高まっていくし、生活が豊かになる。それが家なら、新築で建てたあと、30年過ぎたらおしまいなんて絶対にならない。

山口 思い入れがあるものを、簡単に壊そうなんて思わないですよね。

千葉 ちょっとでも手入れしてでも、少しでもいい家。自分たちが住みやすい、住み心地のある幸せな場所作りとして保たれていくんでしょうね。

山口 そんな家に、「お気に入りの一枚」としてうちの壁紙があること、すごく誇りに思いますよ。

 

(文:小栗詩織、写真:平山亮 @ryo_hirayama_photographer) 

 

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