こんにちは。山口です。
「 ウィリアム・モリス の壁紙に憧れるけれど、自分で貼るのは難しそう」「賃貸だから原状回復が心配」と諦めていませんか? 実は、当店ではモリスをDIYで貼る方が結構たくさんいらっしゃいます。
モリスのような緻密な総柄は、DIY初心者にとって施工のズレが目立ちにくい「失敗しにくい壁紙」の代表格でもあります。さらに、 輸入壁紙 に多い 紙素材 の特性を知り、専用の糊を賢く選べば、賃貸でもはがせる施工で楽しむことができるのです。
この記事では、輸入壁紙専門店として、モリスの壁紙をDIYで美しく仕上げる貼り方のコツや、プロに任せるべきケースとの比較を徹底解説。さらに、「良いものだからこそ無駄にしたくない」というお客様の声から生まれた、余った端切れのリメイク活用術までご紹介します。
憧れのモリスを自分の手で。失敗しないDIYのコツと「はがせる」極意
憧れのウィリアム・モリスをDIY。実は「柄物」こそ初心者向き?
「ウィリアム・モリスの壁紙を自分で貼るなんて、ハードルが高そう……」と思っていませんか?特にモリスのような緻密なデザインは、少しでも柄がズレたら目立つのではないかと不安になりますよね。
しかし、実際はその逆です。実は、モリスのような総柄の壁紙こそ、DIY初心者にとって「失敗」を「味」に変えてくれる心強い味方なのです。
「柄物は難しそう」という誤解:緻密なデザインが施工の粗を隠してくれる
もちろん、適当に貼れば勝手に柄が合うわけではありません。横の柄とつながるように意識して貼る必要はあります。
プロの現場でも「輸入壁紙に多少のズレはつきもの」と考えられています。そこを神経質に追い込みすぎる必要はありません。
無地よりもジョイント(つなぎ目)が目立たないマジック
一般的な無地の壁紙をDIYで貼る場合、ほんの少しの隙間や重なりが「影」となってはっきりと目立ってしまいます。一方、モリスのデザインは草木や鳥が画面いっぱいに描かれているため、視線が柄の美しさに分散されます。
いざ壁全体に貼り終えて一歩引いて見てみると、数ミリのズレなんてほとんど気にならなくなるから不思議です。複雑な模様が 繋ぎ目(ジョイント) をデザインの中に溶け込ませてくれる「視覚的なマジック」こそ、モリスの壁紙がDIYにおすすめな最大の理由です。
モリスの主流「紙壁紙」を自分で貼るコツ
最近では貼りやすいフリース(不織布)素材も増えていますが、ウィリアム・モリスの壁紙において、その豊かな色彩と質感を最も堪能できるのはやはり伝統的な「紙素材」です。「紙は扱うのが難しい」というイメージがあるかもしれませんが、特性さえ掴めばDIYでも十分に太刀打ちできます。
素材の特性を知る:紙素材特有の「伸び」と「オープンタイム」の重要性
紙壁紙の最大の特徴は、糊を塗ると水分を吸って数ミリほどサイズが伸びることです。
ここで重要になるのが「オープンタイム(待ち時間)」です。糊を塗ってすぐに壁に貼ると、壁の上で紙が伸びてしまい、シワや浮きの原因になります。糊を塗ったあと、紙をジャバラ状に畳んで5〜10分ほど置き、しっかり伸びきらせてから貼るのが成功の秘訣です。
「紙が動く」という特性は、裏を返せば、壁に当てたあとに少しだけ位置をスライドさせて微調整しやすいというメリットでもあります。
フリースとは違う?紙壁紙だからこそ味わえる伝統的な質感と発色
フリース(不織布) 素材は「壁に糊を塗って貼る」のが一般的ですが、紙素材は「壁紙の裏に糊を塗る」という昔ながらのスタイル。手間は少しかかりますが、仕上がりの風合いは格別です。インクの重なりが生む奥行きや、しっとりとした紙の質感は、100年以上愛され続けてきたモリスのデザインを最も美しく引き立ててくれます。この手触りと発色を自分の手で壁に定着させていくプロセスは、DIYならではの贅沢な体験になるはずです。
賃貸でも諦めない!「はがせる」施工でモリスを楽しむ
「賃貸だから、高価なモリスの壁紙を貼るのは無理……」と諦める必要はありません。原状回復が必要な環境でも、適切な方法を選べば憧れのモリスを壁一面に楽しむことができます。
紙壁紙でも使える「はがせる糊」の選び方と下地との相性
紙壁紙を「はがせる」ように貼るための決定版と言えるのが、輸入壁紙用の粉糊「スーパーフレスコイージー」です。これは、壁紙を剥がしたい時に、下地のビニール壁紙を傷めずにするりと剥がせるように設計された、DIY愛好家御用達のアイテム。水で溶いて壁紙の裏に塗り、しっかりオープンタイム(待ち時間)を置くことで、紙が安定し、壁に当てた後の位置調整もスムーズになります。
裏紙が残っても大丈夫!きれいに原状回復するコツ
「本当にきれいに剥がれるの?」と不安な方に知っておいてほしいのが、剥がす際のちょっとしたコツです。フリース素材の壁紙の場合は残らずにそのままするりと剥がれますが、退去時にモリスの紙壁紙をそーっと剥がしていくと、壁側に薄い「裏紙」が残ります。この裏紙は、無理に爪でカリカリ剥がそうとしなくて大丈夫。霧吹きで水をかけ、数分置いて十分に濡らしてあげると、糊がふやけて驚くほど「するり」と取ることができます。このひと手間を知っているだけで、賃貸でのDIYリフォームのハードルはぐっと下がるはずです。
プロに注文 vs セルフDIY!費用と仕上がりの満足度比較
ウィリアム・モリスの壁紙を楽しむ方法は、大きく分けて「プロの施工」と「セルフDIY」の2つ。当店ではどちらのスタイルもサポートしていますが、実は選ぶ壁紙の種類によって、おすすめの選択が変わります。
一生モノの壁に。下地から完璧に仕上げる「プロの施工」
「一生モノの美しさを手に入れたい」なら、やはりプロの施工が一番の近道です。 プロに依頼する場合、壁紙代とは別に施工費(工賃)として1面あたり約5万〜8万円ほど(下地処理 や諸経費込み)の予算を見ておくのが一般的です。
この費用は、単なる作業代ではなく「数年先までの安心」を買う投資でもあります。特に以下のようなケースでは、プロに任せる価値が非常に高まります。
国内メーカーのライセンス品(巾92cm): 巾が広く、初心者が一人で柄を合わせるには限界があります。プロなら短時間で確実に仕上げ、材料を無駄にするリスクもありません。
「紙素材」の輸入壁紙: 糊による伸び縮みを秒単位で見極める熟練の技が必要です。
初期費用はかかりますが、下地から丁寧に整えるため、数年後の「剥がれ」や「浮き」の心配がありません。「高価な壁紙を絶対に失敗したくない」という方にとって、最も確実な選択肢です。
予算を抑えて自分らしく。愛着を育む「セルフDIY」の魅力
一方で、施工費を抑えることで「予算の使い道」を自由に選べるのがDIYの醍醐味です。 プロに依頼した際にかかる数万円の施工費を、そのまま「ワンランク上の壁紙代」に充てることができるからです。
憧れのデザインを多めに選ぶ: 施工費分を上乗せして、1面だけでなくお揃いの端切れで小物までリメイクする。
最高級の素材に挑戦する: 普段なら躊躇するような、本国イギリス製の希少な紙壁紙を選択する。
当店のDIY道具セットなどの初期投資(3300円〜)だけで始められるため、トータルコストを抑えつつ、その分こだわりの空間づくりに投資したい方にはDIYが最適です。
【実践】モリスの壁紙DIY・失敗しない貼り方ステップ
「よし、自分で貼ってみよう!」と決めたら、まずは準備と手順を確認しましょう。特にモリスの主流である「紙素材」をDIYで扱う際は、焦らず「紙の動き」に合わせるのがコツです。
準備するもの:これだけあれば始められる道具リスト
道具を揃えるところからDIYの楽しさは始まっています。もちろんホームセンターなどでも色々な道具が販売されていますので、まずは手近なところで揃えてみるのも一つの手です。
もし「どれを選べばいいか分からない」「使いやすいものが欲しい」という場合は、当店のセレクトしたセットも参考にしてみてください。

気軽に揃えられる初めての道具セット
まずは1面から挑戦したい方に。最低限必要なものがコンパクトにまとまっています。

バケツなどもセットになった本格道具セット
しっかりとした糊作りから本格的に取り組みたい方向けの11点セットです。
紙壁紙を傷つけない柔らかな「撫でバケ」や、角を美しく出すための「竹べら」など、仕上がりを左右する道具が揃っていると、作業のストレスがぐっと減りますよ。
柄合わせのコツ:神経質にならなくても「絵」はつながる
モリスの壁紙を貼る際、最も緊張するのが「柄合わせ(リピート)」ですよね。当店で注文いただいた壁紙が届いたら、まずは床で広げて、どこで柄がつながるかシミュレーションしておきましょう。
紙素材の場合、糊を塗ったあとの「オープンタイム(5〜10分ほど置く時間)」をしっかり取ることで、紙が十分に伸びきり、壁に当てた後の微調整がしやすくなります。たとえ数mmズレたとしても、複雑なモリスの図案は視覚的に補正してくれるので、「だいたい合っていればOK!」という心の余裕を持つことが成功の秘訣です。
ズレても大丈夫!「手仕事の味」がモリスの魅力を引き立てる
完璧を目指しすぎて何度も貼り直したり、手が止まってしまうより、リズミカルに貼り進めていくほうがきれいに仕上がります。角の処理など、難しい部分は無理をせず、竹べら で形をなぞってから丁寧にカットしていけば大丈夫。
自分の手で一枚一枚、モリスの物語を繋いでいくプロセスは、単なるリフォームを超えた贅沢な時間。多少のゆがみも「自分で手がけた証」として、住まうほどに愛おしく感じられるはずです。
捨てないで!余ったモリスの壁紙を使い切る活用アイデア
壁紙を貼り終えたあと、手元にはどうしても端切れが残ります。でも、そこで作業終了ではありません。ウィリアム・モリスの壁紙は、たとえ小さな面積であっても圧倒的な存在感を放つアートそのもの。端切れを活かして、お部屋をトータルコーディネートしましょう。
お揃いのアートパネルや額装で、インテリアを格上げ
一番手軽でおすすめなのが、余った壁紙を市販のフォトフレームや額縁に入れるだけの「壁紙アート」です。 壁に貼ったものと同じ柄を棚の上に飾ることで、お部屋に統一感が生まれます。また、厚手の ベニヤ板 や発泡スチロール板に貼り付けて「アートパネル」にすれば、季節や気分に合わせて飾る場所を変えられる、世界に一つだけのインテリアアイテムになります。
家具や小物へのリメイク。端切れを使い切るための「紙」の扱い方
モリスの壁紙はしっかりとした厚みがあるため、小物へのリメイクにも最適です。実際にお店のお客様からも、こんな素敵なエピソードをいただきました。
「余った壁紙を、ノートや箱に貼ってみたら、とても良かったんです。部屋に飾れば壁紙との統一感も出るし、古びたものも、パッと生まれ変わって。良いものだからこそ無駄にしたくない、という気持ちから、新たな楽しみが生まれました」
まさにこのエピソードの通り、モリスのデザインは小さな面積でも圧倒的な存在感を放ちます。
家具の背板や収納箱に: 本棚の奥や古くなった収納ボックスに貼り付けるだけで、いつもの家具がデザイナーズアイテムのような装いに。
ノートやステーショナリーのデコレーション: お気に入りのノートをモリスで包めば、手に取るたびに心が躍る一冊に生まれ変わります。
小さなシート状の端切れまで使い切ることで、お家の中が「お気に入りのデザイン」で満たされていくはずです。DIYで余った分は、捨ててしまうのではなく、日々の暮らしを彩る小さな魔法として使い切ってみてください。
まとめ:自分だけの「モリスの部屋」を今すぐ形に
ウィリアム・モリスの壁紙をDIYで貼ることは、単なる節約ではなく、自分の手で暮らしを豊かにする最高の贅沢です。
国産モリスはプロの技で完璧に。
輸入モリスはDIYで楽しみながら、自分だけの愛着ある空間に。
「失敗したらどうしよう」という不安は、モリスの緻密なデザインと、スーパーフレスコイージーのような便利な道具が解消してくれます。もし貼り方や選び方に迷ったら、いつでも当店のショップをチェックしてみてくださいね。
あなたの手で、憧れのモリスが彩る理想の住まいを形にしてみませんか?

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山梨県出身。家業である壁紙の卸業を継ぎながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として活動中。子どもの頃から壁紙という素材に親しみ、その魅力に気づいたのは大人になってから。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業とともにインテリア業界での新たな挑戦をスタートしました。 「WALLPAPER STORE」では、壁紙の魅力をより多くの人に届けるため、サイトやSNSで情報を発信しています。DIY好きのチームメンバー「かべのこ」「くーちゃん」「あさくま」そして施主の想いや暮らしに寄り添いながらインテリアを一緒に創り上げる「ウォールスタイリスト」とともに、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログやコンテンツを通じてお届けしています。
Profile
1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒入社。事業企画担当として、中期経営計画策定や予算管理、プロジェクトマネジメントなどに従事。関連会社の統合や事業譲渡、合弁会社立ち上げといった幅広い経験を積む。週末は息子のサッカーに付き添いながら、自分より熱が入ってるかもと思うこともしばしば。根っからの浦和レッズファンで、週末のTV観戦が何よりの楽しみ。子どもが寝た後は、ビールを片手にAirPodsで大音量観戦するのが最高のリラックスタイム。たまに盛り上がりすぎて家族に突っ込まれるけど、それもご愛敬。

