こんにちは。かべのこです。
ある日、友人の家で目にした ウィリアム・モリス の壁紙。「いちご泥棒(Strawberry Thief)」の小鳥たちがいちごをついばむ姿に、ふっと物語の中へ入り込んだような気持ちになりました。調べてみると、モリスの壁紙には驚くほど多彩なデザインがあり、クラシックなものからナチュラルな空間に合う柄まで、本当にたくさん。気がつけば夢中になって夫に相談し、「レモン」をトイレに貼ることに。爽やかな黄色と葉のリズムが、毎日の風景を明るく変えてくれました。
“美は日常に宿る”──その意味を感じ始めたあの日から、インテリアへの向き合い方が少しずつ変わった気がします。
まるで美術館のような空間に。モリスの壁紙で叶える、インテリアの理想形とは──。
モリスの壁紙で後悔しない選び方|おしゃれな施工実例と人気柄6選
時代を超えて愛される、ウィリアム・モリスの世界
アーツ・アンド・クラフツ運動とモリスの思想
19世紀イギリスで活躍した ウィリアム・モリス は、単なるデザイナーではなく、社会や暮らしそのものに強い問題意識を持った思想家でもありました。彼が中心となった「 アーツ・アンド・クラフツ運動 」は、大量生産によって失われかけていた職人の技や暮らしの中の美しさを取り戻そうとするもので、今のモリス壁紙にもその哲学が息づいています。
モリスはこう語っています。
「美しいと思わないものを家に置いてはならない。」
この言葉は、インテリアに限らず、自分の価値観や暮らし方そのものを問い直すメッセージでもあります。
自然の草花や鳥たちを繊細に描いたモリス壁紙のデザインには、手仕事の温もりと自然へのまなざしが込められています。壁一面に貼るだけで、空間がまるで静かな森の中に変わるような、豊かな没入感をもたらしてくれます。
「美は日常に宿る」──壁紙に込められたメッセージ
モリスの壁紙を暮らしに取り入れると、部屋の空気がふっと変わります。視線が自然と壁に吸い寄せられ、そこに漂う静かな格調や、優美なリズムに心がほどける。その瞬間こそ、「美は日常に宿る」というウィリアム・モリスの哲学が、空間の中に現れた証かもしれません。
たとえば、モリス壁紙「 いちご泥棒(Strawberry Thief) 」や「 レモンツリー(Lemon Tree) 」は、遊び心と上品さをあわせ持つ人気柄。トイレや玄関などの小さなスペースにも映え、貼るだけで絵本の一場面のような情緒ある空間が生まれます.国内メーカーの サンゲツ などからも取り扱いがあり、手軽に取り入れやすいのも嬉しいポイントです。
モリス壁紙は、ただの装飾ではありません。その人の感性や美意識がにじみ出る存在であり、自分にとっての“美しさ”を静かに問いかけてくれます。忙しい毎日の中でこそ、そうした感覚に気づかせてくれるインテリアの力を、モリスは私たちに教えてくれているようです。
人気のモリス壁紙デザイン
ウィリアム・モリスの壁紙の中でも、特に人気の高いデザインには、どれも忘れがたいストーリーと世界観が宿っています。空間にそっと彩りを添え、住む人の感性に寄り添ってくれる柄たちをご紹介します。
いちご泥棒・レモン・ジャスミンの魅力
いちご泥棒(Strawberry Thief)
モリスの代名詞とも言える「いちご泥棒(Strawberry Thief)」は、小鳥がいちごをついばむユニークなシーンが描かれた愛らしいデザイン。華やかで物語性がありながらも、色彩は落ち着いていて上品。壁一面に貼れば、視線が自然と引き寄せられ、まるでおとぎ話のワンシーンのような空間に変わります。リビングや玄関など、印象づけたい場所におすすめです。
ウィリアム・モリスの柄の中でも、この「いちご泥棒」は特に人気が高く、インテリアの主役として選ばれています。
レモンツリー(Lemon Tree)
レモンの果実と葉がリズミカルに並ぶ「レモンツリー(Lemon Tree)」は、爽やかで明るい雰囲気が魅力。ナチュラルなグリーンと、太陽を感じさせるイエローが、空間に活気と軽やかさをもたらします。キッチンやダイニングに取り入れると、自然の色彩に包まれるような感覚に。毎日の食卓がちょっと楽しくなるようなデザインです。
「レモン」は、モリスらしい自然美と軽やかさをあわせ持ち、ナチュラルな空間に映える柄として親しまれています。
フルーツ(Fruit)
ざくろやレモン、桃などの果実がたわわに実る「フルーツ(Fruit)」は、モリスの初期を代表するデザインのひとつ。葉や枝の流れに沿って果物が自然に描かれ、どこか素朴で温かみのある雰囲気が漂います。落ち着いた色調とクラシカルな構図は、和室やキッチン、書斎などさまざまな空間に馴染み、植物と果実の豊かさが暮らしに実りをもたらすような印象に。自然へのまなざしと手仕事のぬくもりが感じられる、長く愛されてきた一枚です。
ジャスミン(Jasmine)
繊細な ジャスミン(Jasmine) の蔓がゆるやかに広がるこのデザインは、優雅でやさしい印象。主張しすぎず、でもしっかりと存在感があり、落ち着いた空気を生み出してくれます。寝室や書斎、読書スペースなど、静かな時間を過ごしたい場所にぴったり。くすみカラーとの相性も良く、上質な空間づくりができます。
静けさを大切にしたい空間に寄り添う「ジャスミン(Jasmine)」は、モリスの中でも静謐な魅力をもった柄のひとつです。
ブラックトーン(Blackthorn)
「 ブラックトーン(Blackthorn) 」は、深みのある色彩と植物モチーフが織りなす, 重厚で格調高いデザイン。落ち着きのあるダークカラーの中に浮かび上がる花々は、どこか静かなドラマを感じさせます。書斎や寝室、シックなリビングにおすすめで、空間に“静けさの中に漂う格調”をもたらしてくれる存在です。クラシックモダンな家具との相性も抜群。
クラシカルで緊張感のある空間を好む方に、「ブラックトーン」はとてもよく選ばれています。
ゴールデン・リリー(Golden Lily)
「 ゴールデン・リリー(Golden Lily) 」は、その名のとおり百合の花が優雅に咲き誇る、モリスを代表する華やかなデザイン。曲線を描く植物のリズムと豊かな色彩が、空間に気品とぬくもりをもたらしてくれます。
この柄の魅力は、色によってまったく異なる印象を楽しめること。落ち着いたトーンから明るく柔らかな配色まで、幅広いカラーバリエーションが展開されています。
たとえば──
「Golden Lily 216816 / WM8556-1」は、深いグリーンを背景にゴールドの百合が浮かび上がるような配色。クラシカルで重厚感があり、アンティーク家具やダークウッドの床とも相性抜群です。書斎やリビングなど、落ち着いた雰囲気を演出したい空間にぴったり。
「Golden Lily 216834 / 210399」は、淡いグリーンやベージュを基調に、ピンクやクリームの柔らかい花々が広がる優しい色合い。明るくナチュラルな印象で、ダイニングや玄関、寝室にもよく合います。女性らしさややわらかな光を感じさせる、心なごむ一枚です。
このように、同じ「ゴールデン・リリー」でも色を選ぶことで、クラシックにもフェミニンにも自在に表情を変えられます。華やかさと上品さを兼ね備えたモリスの代表柄として、多くの空間で愛されているデザインです。
空間に与える印象とコーディネート例
トイレに「ゴールデン・リリー」を貼って、花に包まれるひとときを
最初の写真は、トイレの壁一面に「ゴールデン・リリー(淡色)」を使用した 施工事例 。淡いベージュとピンクを基調とした柔らかな色合いが、コンパクトな空間を優しく包み込んでいます。
ゴールドのユリとリズミカルな蔓の流れが、窓から差し込む光と調和して、明るく清潔感のある印象に。トイレという“限られた空間”だからこそ、大胆な柄を思いきって取り入れるのがおすすめです。木の棚や白い設備との相性もよく、ナチュラルで上品な仕上がりになっています。
キッチン腰壁に「ブラックトーン」を。暮らしに深みを添える自然のリズム
もう一枚の 施工事例 は、キッチンの腰壁に「ブラックトーン(グリーン系)」を取り入れたコーディネート。一面ではなく腰の高さまでの部分に貼ることで、空間に程よいアクセントを与えています。
「ブラックトーン」は、小花や木の葉が緻密に描かれたデザインで、まるで植物の茂みに迷い込んだような世界観。赤や白の小花、ブルーのポイントが絶妙に調和し、グリーンを基調としながらも奥行きある表情を生み出しています。
この実例では、アンティークの木製家具やキッチンツール、ドライフラワーと見事に調和。モリスが大切にした“自然と共にある暮らし”を感じさせる空間に仕上がっています。毎日立つ場所だからこそ、目に優しく、心がふっとなごむようなデザインを選ぶのも素敵ですね。
空間別のおすすめ壁紙と施工アイデア
モリスの壁紙を「どこに貼るか」で迷っている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、空間ごとにおすすめの柄と雰囲気のつくり方、そして「賃貸でもOK」「お手軽DIY」な施工アイデアをご紹介します!
トイレ・リビングに合う選び方
トイレ:小さな空間だからこそ、大胆な柄で印象的に
トイレは限られたスペースなので、思いきった柄を楽しむのにぴったりの場所です。こちらの事例では、「ブラックトーン(Blackthorn 216857 / WM8610-1)」を背面の壁に使用。深いグリーンを基調に、小花が緻密に描かれたこのデザインは、自然の息吹を感じるような奥行きある空間を生み出しています。
シンプルな白い壁とのコントラストで、柄の美しさがより引き立ち、まるで森の中の静けさに包まれているようなひとときを演出。棚板や紙巻器の木目との相性も良く、ナチュラルかつ上質な印象にまとまっています。
リビング:空間の主役にする?それとも背景にする?
リビングは家族が集まる場所。だからこそ、壁紙の存在感が空間全体の印象を左右します。
こちらの事例では、「ゴールデン・リリー(Golden Lily 216816 / WM8556-1)」をTV背面の壁に貼り、空間に深みと華やぎを添えています。濃いグリーンを基調にした背景に、ゴールドの百合が浮かび上がるようなデザインで、“視線が自然と壁に吸い寄せられる”ような存在感。
アクセントクロス として1面のみに使うことで、圧迫感はなく、それでいて空間にリズムと奥行きをもたらしています。周囲の白壁や木製家具、天井の梁との相性も抜群で、クラシックとナチュラルが心地よく混ざり合った空間に。
ドライフラワーやラタン調のテーブルなど、 自然素材 と組み合わせることで、モリスが大切にした“美は日常に宿る”という哲学がぐっと身近に感じられます。
サンゲツ・リリカラなど国内メーカーで手に入るモリス壁紙
最近では、「モリスの壁紙ってサンゲツでも買えるんだよね」とご存知の方も多いかもしれません。実際、モリスの柄を再現した国産クロスは、デザイン性の高さはもちろん、施工性や色味のバリエーションまでしっかりと工夫されています。
たとえば、サンゲツの「WILLIAM MORRIS」シリーズでは、 正規ライセンス を取得し、「いちご泥棒」や「ゴールデン・リリー」などの柄を、国産クロスならではの美しい発色と質感で展開。モリスの世界観を、日本の住まいにも無理なく取り入れることができます。
また、リリカラのモリス壁紙カタログも、国内住宅の空間に合わせたサイズ感や、やわらかな色味が特徴。デザインクロスとしても選びやすく、ナチュラル系のインテリアに溶け込むラインナップが揃っています。
当店では、こうした国内メーカー製のクロスはもちろん、 輸入壁紙 のサンプルもご用意。質感や色味を実際に見比べて選べるので、「思っていたのと違った…」という失敗も避けられます。
「輸入壁紙はちょっとハードルが高いかも」という方にも、国産のモリス柄クロスなら、もっと気軽にその美しさを楽しめます。機能性と美しさ、どちらもあきらめない選択肢として、今の住まいに取り入れてみてはいかがでしょうか。
「本物の美しさ」を、もっと身近に。
そんな今の“モリスのクロス事情”も、ぜひチェックしてみてくださいね。
国産クロスの壁紙 色見本 をご希望の方はLINEからお問い合わせください。
ただの装飾ではない、心を満たすモリス壁紙の魅力を暮らしに
いかがでしたでしょうか?
モリスの壁紙には、空間の印象をがらりと変える力があります。自然をモチーフにした繊細な柄や落ち着いた色合いが、部屋に静かな奥行きややすらぎをもたらしてくれる。その魅力に惹かれながら、どんなふうに取り入れたら素敵かを考える時間もとても楽しく、この記事を書きながら改めて“美しい暮らし”について考えさせられました。お気に入りの柄をひとつ選ぶだけで、毎日の景色が少しずつ変わっていく。そんな小さな変化を楽しむ気持ちを、この記事を通して誰かと共有できたら嬉しいです。

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山梨県出身。家業である壁紙の卸業を継ぎながら、壁紙専門店「WALLPAPER STORE」のウェブ編集者として活動中。子どもの頃から壁紙という素材に親しみ、その魅力に気づいたのは大人になってから。「空間を一変させる壁紙の力」に感銘を受け、家業とともにインテリア業界での新たな挑戦をスタートしました。 「WALLPAPER STORE」では、壁紙の魅力をより多くの人に届けるため、サイトやSNSで情報を発信しています。DIY好きのチームメンバー「かべのこ」「くーちゃん」「あさくま」そして施主の想いや暮らしに寄り添いながらインテリアを一緒に創り上げる「ウォールスタイリスト」とともに、初心者にも取り組みやすいアイデアをブログやコンテンツを通じてお届けしています。
Profile
1983年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒入社。事業企画担当として、中期経営計画策定や予算管理、プロジェクトマネジメントなどに従事。関連会社の統合や事業譲渡、合弁会社立ち上げといった幅広い経験を積む。週末は息子のサッカーに付き添いながら、自分より熱が入ってるかもと思うこともしばしば。根っからの浦和レッズファンで、週末のTV観戦が何よりの楽しみ。子どもが寝た後は、ビールを片手にAirPodsで大音量観戦するのが最高のリラックスタイム。たまに盛り上がりすぎて家族に突っ込まれるけど、それもご愛敬。
