Farrow&Ball

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カタログ、壁紙見本帳、ペイントのカラーボード。好きな色を軸に様々な提案がワクワク感をくれる。

Farrow & Ball(ふぁろーあんどぼーる)とは?

1946年にイギリスで創業された、最高品質の顔料を使用した塗料と、その塗料を用いて伝統的な手法で作られる壁紙で知られる高級装飾ブランドです。独特の奥行きがある色彩と、環境に配慮した水性塗料ベースの製品作りが世界中のデザイナーやインテリア愛好家から高く支持されています。

この言葉が指すものと、その役割

  • 適用場所: リビング、寝室、書斎など、空間に上質な静寂や品格を求める場所。有害な揮発性有機化合物(VOC)を極限まで抑えた水性塗料をベースとしているため、子ども部屋でも安心して使用できます。
  • 目的・ニーズ: 単なる柄の装飾ではなく、壁面そのものに「塗装のような奥行き」と「マットな質感」を求める場合。化学的な光沢を嫌い、自然光の中で美しく映える工芸品のような仕上がりを重視するニーズに応えます。
  • 施工方法: 輸入壁紙 として扱われ、紙壁紙特有の繊細な取り扱いが必要です。専用の 糊 を使用し、オープンタイム(糊を馴染ませる時間)を適切に取るなど、職人によるプロ施工が最も美しく仕上がります。
  • 注意事項: ビニール壁紙 に比べて水濡れや摩擦に弱いため、キッチンや洗面所の直接水がかかる場所には向きません。また、 下地 のわずかな凹凸も拾いやすいため、入念な下地調整が不可欠です。

混同されやすい、似た表現との違い

ウィリアム・モリス(William Morris)

  • 定義の違い: Farrow & Ballは「自社塗料による色彩と職人による質感」を主軸にしたブランドですが、ウィリアム・モリスは19世紀の「意匠(アーツ・アンド・クラフツ運動)」を継承したデザインアーカイブです。
  • 用途・適用場所の違い: Farrow & Ballは単色やシンプルな幾何学柄が多く空間全体のトーンを整えるのに適していますが、モリスは緻密な植物柄が多く アクセントクロス として壁一面を主役にする使い方が一般的です。
  • 素材・機能の違い: Farrow & Ballは紙に塗料を載せるハンドプリントに近い手法ですが、モリスの壁紙は多くのメーカーからライセンス販売されており、素材は紙から 不織布壁紙 まで多岐にわたります。
  • 価格帯・入手性: どちらも高級な 輸入壁紙 の部類ですが、Farrow & Ballは世界的に流通ルートが限られており、より希少価値の高いブランドとして位置づけられています。
  • 注意点: 「英国の伝統スタイル」として混同されやすいですが、色の深みを追求するならFarrow & Ball、伝統的な装飾柄を楽しみたいならモリスという棲み分けがなされます。

ペイント壁紙

  • 定義の違い: ペイント壁紙 は「後から塗装することを前提とした塗装下地用の壁紙」を指すことが多いですが、Farrow & Ballは「既に完成された塗料でデザインが施された壁紙」を指します。
  • 用途・適用場所の違い: ペイント壁紙 は好みの色を後から塗る自由度がありますが、Farrow & Ballの壁紙は職人が一色ずつ塗り重ねた独特の厚みと、プリントの凹凸そのものを鑑賞するために使用されます。
  • 素材・機能の違い: 一般的な ペイント壁紙 は塗装のノリを良くするための機能性を重視しますが、Farrow & Ballは塗料の発色と紙の風合いを最大限に引き出すための素材構成になっています。
  • 価格帯・入手性: ペイント壁紙 は比較的安価に導入できるものも多いですが、Farrow & Ballは最高級顔料を多用するため、輸入壁紙の中でも非常に高価な部類に入ります。
  • 注意点: Farrow & Ballの製品ラインには「塗装用のライニングペーパー(下地紙)」も存在するため、完成品の壁紙を求めている場合は混同しないよう注意が必要です。

きれいに仕上げるために、配慮したいこと

  • 商品選択時: 画面上の色と実物は光の反射によって全く異なります。 A4サイズ 以上の サンプル を必ず取り寄せ、施工する部屋の光の下で質感を確認してください。
  • 購入時: 伝統的な製法ゆえに製造時期( ロット )が変わると僅かな色差が出やすい性質があります。予備を含め、必ず一度の注文で必要数量を確保してください。
  • 施工前準備: 紙壁紙は非常にデリケートです。 下地 の段差を パテ で平滑にし、周辺の 養生 を徹底して、糊や汚れが表面に付かないよう準備を整えます。
  • 施工中: 表面に 糊 が付着すると、特有のマットな質感が失われてシミになります。付着した場合は速やかに清潔なスポンジと水で優しく拭き取ってください。
  • 施工後: 素材の収縮により 継ぎ目 の開きが起こりやすいため、エアコンの直風を避けるなどして、時間をかけてゆっくり自然乾燥させることが美しい仕上がりの秘訣です。

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輸入壁紙

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アクセントクロス 、 ペイント壁紙 、 DIY